宮本 研 Ken Miyamoto

1975 年生まれ、2001 年福島県立医科大学医学部卒。医師、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本内科学会認定内科医、難病指定医(腎臓機能障害)。臨床と並行して、医師視点を生かした製薬企業での MR 研修やセミナー講演、ヘルスケア企業への助言を行っている。

―― 『医師脳』とはどういうものですか?

宮本:医師という知識職の根幹に共通するプロフェッショナルな思考パターンを「医師脳」と定義しています。
医師たちの間には、医学部での6年間、初期臨床研修での2年間、臨床現場での職業キャリアを通じて培われた、専門分野に限定されない論理的なスキルが存在するのです。
しかし、多くのMRが社内でも現場でも、この「医師脳」について教育されていないと思います。

MRは日々医師との関係構築に努力しています。
しかし、顧客の医師をプロダクトのセールス対象とばかり捉えてしまっていては「医師脳」には永遠にたどり着けません。
「医師脳」が本質的に望むものは、MRとの知的な対話なのです。
医師脳の存在を意識していれば、医師と協調し、個別の医師が求めるニーズを理解することができます。
そして、医師が望んで対話をしてくれるチャンスが増加します。

―― 『医師脳』を示す、わかりやすい例などはありますか?

宮本:例えば、有望な新薬が発売される。当然、MRは積極的なディテーリング攻勢に出ますね。
製品のキーメッセージや承認時のデータなどなど、多数の販促用資材を持って医師と熱心に面談を試みることでしょう。
しかし、「医師脳」を意識していないメッセージは、すべて自社都合の一方的なディテーリングです。

このとき「医師脳」は、あくまでも患者にとって有益性を追求するように働いています。
「医師脳」は、新薬がもたらす画期的な治療について、メリットとデメリットを可能な限り多数追求し、治療途中の方針変更についても考慮し、継続的に主治医の責任を務めようとするのです。
MRのメッセージは、この「医師脳」を揺らすようなインパクトを発揮しなければなりません。
コール数を稼ぐだけのスピーカー型MRか、医師が担う患者への責任について、医師視点に並んだ上で一緒に考えるMRか。
それは「医師脳」を理解しているかで変わります。

―― 『医師脳』が周囲に及ぼす長所・短所があれば教えてください。

宮本:「医師脳」の応用範囲にも限界があります。
例えば、各医師が保有している成功体験は、他の医師でも容易に再現できるわけではありません。
専門領域における経歴が「医師脳」を特定の分野に偏らせたり、苦手な分野をそのままにしてしまうこともあります。
「医師脳」は、医師が職人的な勘を優先させて、最新の知見を後回しするかもしれない危うさも持っています。
そんな危うい「医師脳」と対したとき、周囲は医師の立場に遠慮して十分な反論ができなかったり、「医師脳」の内部を追求することをあきらめてしまいがちです。
しかし、「医師脳」は、こうした周囲の不安感や葛藤を職業のリスクとして自覚している場合が多いのです。

「医師脳」は、万能な医療は存在せず、常に進行方向に複数のリスクを抱えていることを自覚しています。
「医師脳」を自覚しているMRだけが、医師と同じ方向を向いて討議しながら、アドバイザーとして伴走することができるのです。
MRのプロフェッショナル思考は、「医師脳」を学ぶことで獲得できます。

―― MR が『医師脳』を獲得することで、どのような変化が起こりますか?

宮本:「医師脳」は、あくまでも患者にとっての有益性を追求します。
この「医師脳」を学ぶことで医療貢献を目指すMRの職業観を高め、自社プロダクトの意義を再確認し、人々の健康維持と治療に役立っている事実を実感する機会になります。
医療への貢献は大きな社会貢献であり、MR活動の大きなモチベーションです。
業績優先の経営を行ってきた企業であっても、MRがスピーカー型の活動を続けていることは、将来的な人材流出リスクとなります。
私は、MRが職業として社会に必要な立場であることを全社員に伝える手段として、医師脳トレーニングを実施していただきたいと考えています。
医師を通じた間接的な感謝に満足するだけでなく、最終顧客である患者への貢献を知識面でも深く実感できるMRこそが、現在求められている職業像だと思います。

医師脳トレーニングはこんな方におすすめです

●医師とのコミュニケーションに原因不明のストレスを感じている
●情報提供の質を磨いて、医師の満足度をあげたい
●多職種で構成される医療チームの一員になって社会に貢献したい
●医師に特化した対人コミュニケーションを磨きたい
●部下の指導について過去の成功体験が通用せずに悩んでいる
●保険診療だけでなくヘルスケアビジネス全体を俯瞰的に考えてみたい


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