新薬ばかりに注目しないで!!OPD市場がアツい―OPDの価値を高めるMRに

「OPD(オフ・パテント・ドラッグ)の市場動向と関連制度」をまとめました。 更新日: 2017年6月21日

最近はどんどんと気温が上がってきており、1時間弱外を走りに行くのにも飲み物を持っていくようになりました。毎年この時期になると、夏を乗り越えた前年の自分を尊敬します。

毎日、医薬品関連のニュースを見ていると、新たな後発品の発売や長期収載品の継承の記事などをよく目にします。特に継承などの動きはかなり活発なように思います。それだけ日々変わっているのだと実感もします。
今回は現在もめまぐるしく動き続けているOPDの市場動向や関連制度を学び、これからの動きに置いて行かれることがないよう、基礎知識を身につけていきたいと思います。

後発医薬品の数量シェアの推移と目標

後発医薬品の普及に追い風となっているのが、患者の負担軽減や医療保険財政の改善を目指す国の政策です。 2007年に出された「経済財政改革の基本方針2007」において後発医薬品普及のための具体的な数値目標が初めて示され、その後、指標の見直しなどを経て、2013年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」が発表されました。 当初の後発医薬品の数量シェア目標は「2018年3月末までに60%以上」とされていましたが、2015年時点で既に到達目前であったことから、新たな目標として「2018〜2020年度末までのなるべく早い時期に80%以上」を目指すことが掲げられました。 さらに、2017年5月の経済財政諮問会議では、目標達成時期を2020年9月とする意向が打ち出されました。

    ▼用語解説
  • 後発医薬品の数量シェア:後発医薬品の数量/(後発医薬品のある先発医薬品の数量+後発医薬品の数量)で算出される。

後発医薬品の数量シェアの話は、医療保険財政の話題とセットになっているかのように目にします。製薬業界に関わる情報に触れるようになり、医療費の削減が医薬品にばかり集中していることに、少し疑問を感じるようにもなりました。 とはいえ、今年の5月の経済財政諮問会議でも新たな意向が打ち出されるなど、今まさに動いている話ですので、今後も注目しておく必要がありそうです。

注目されるバイオ後続品(BS:バイオシミラー)

今後の動向に注目が集まる市場として、もう一つ忘れてはならないのがバイオ後続品(BS:バイオシミラー)です。 BSは、先行のバイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有します。しかし、先行バイオ医薬品と「類似しているが同じではない」医薬品です。バイオ医薬品は化学合成医薬品と異なり同一のものを作り実証することができないため、後発医薬品と異なり、「後発品」ではなく「後続品」なのです。 ただし、診療報酬上は加算等の算定対象となる後発医薬品として扱われるため、注意が必要です。

    ▼用語解説
  • バイオ医薬品:成長ホルモンやインスリン、抗体などタンパク質由来の医薬品や、細胞、ウイルス、バクテリアなど生物由来の物質により産生される医薬品。化学合成の低分子医薬品に比べ分子が大きく構造が複雑であり、その特性や性質は製造工程そのものに依存する。主に注射剤。
「類似しているが同じではない」バイオシミラーは、ドクターによっては不信感を抱かれる可能性もあるのではないでしょうか。そういったときに、どのようなアプローチをしていくかはMRの腕の見せ所かもしれませんね。

承認申請時に必要な提出資料の比較

BSも先行のバイオ医薬品の特許が切れた後に出されますが、一般的な後発医薬品とは異なり先行医薬品との有効成分の同一性を実証することが難しいため、承認申請の際には、スライドに示したように新薬に準じたデータが必要となります。患者を用いた臨床試験が必要とされる点も、後発医薬品と大きく異なる点です。 開発に費用がかかるため、後発医薬品と比較すると先発医薬品との薬価差はそれほど大きくはありませんが、そもそもバイオ医薬品は高額なものが多いため、医療費の削減に寄与するものとしてBSは注目されています。

BSの承認申請には、こんなにもたくさんの提出資料が必要となるということには驚きでした。編集長から新薬の承認申請の提出資料は会議室が書類で埋まるくらいという例え話をきいていましたが、BSも相当な書類に囲まれそうですね。「後発品」と「後続品」は言葉こそ似ていますが、全く違うものなのだということを改めて感じます。やはりここでも注目されているのは、医療費の削減ができるから、なのですね。

長きにわたって医療を支える医薬品の価値

日本ジェネリック製薬協会が行った医療現場への調査によると、「長期収載品と後発医薬品の安全性データ」を望む声が最も多くありました。 OPDでは医療従事者から情報を求められる頻度は決して多くはないかもしれませんが、その医薬品が現場で使われる限り、MRには情報を提供し、収集する義務と責任があります。むしろ、医療現場に浸透し、当たり前のように使われている医薬品こそ、正しい情報を「伝え続けていくこと」、これからの世代の医療従事者には「新たに伝え直していくこと」が必要です。 新薬もOPDも、情報の重みに差はありません。企業によってOPDに対する戦略や方向性は違っても、誇りを持って情報提供・収集できる姿をMR自身が描けるか、それが製薬企業の価値につながるのではないでしょうか。

    ▼参考
  • 後発医薬品の採用及び使用の課題に関する調査:日本ジェネリック製薬協会が2017年2月から3月にかけて全国から無作為抽出した医療機関を対象に実施。記入者は施設における医薬品の採用に関する管理者(医師)として依頼。

情報を求められる頻度が少ないことから、後回しにされがちなのかもしれませんが、これから先も使い続けてもらうためには、常に情報をブラッシュアップしながら提供していくことが、これまでの信頼を裏付ける、一番の付加価値となりうるのではないかと感じました。

長期収載品やAGを巡る各社の動向

最後に、Medical Education夏号本誌記事より、編集部で作成した2017年5月現在の長期収載品・AGの主な流れを示した関連図を紹介します。 今後も、長期収載品やAGの流れに注目していきたいと思います。

今回のまとめ

教材内の「新薬もOPDも、情報の重みに差はない」というフレーズが印象的でした。新薬の開発が難しくなってきている今、改めてOPDに目を向けて、ブラッシュアップした情報を提供していくことで、より強い信頼の得られる薬に、そしてMRになっていくのではないかと思いました。

author:水谷菫
メディカルエデュケーション(editor+)。
東京・青稜高校出身。早稲田大学スポーツ科学部卒。趣味はラクロス。就職活動時代はMRかSEかという2択で迷った元SE。現在、医療・介護・ヘルスケア部門を勉強中です。

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